【ブログ】部材のカタチ
2022/12/02
部材のカタチ
H・I・T・L・C・Z・Oのアルファベットに共通するものは何でしょうか?
建設業界人なら連想できると思いますが、H形鋼・I形鋼・T形鋼・山形鋼・溝形鋼(チャンネル)・Z形鋼・鋼管の形鋼の形状ですね。
形鋼は、一定の断面形状に成形された鋼材で、土木・建築の構造部材に活用されています。
力学的合理性で使い分けていますが、その合理性とは何でしょうか。
物体に働く力を荷重といいます。
荷重の種類は、活荷重・死荷重・衝撃荷重・風荷重・温度変化の影響・地震の影響などがあります。
荷重によって、部材内部に生じる力を断面力(曲げモーメント、せん断力、軸力)といいます。
部材の抵抗力は、断面二次モーメントで表現されます。断面二次モーメントは部材面積に距離の2乗をかけたものを積分したものです。よって、フランジを大きく、ウェブを小さくすることが合理的なので、橋梁の主桁などに使われるのは、Hの形になります。
ちなみに、H形鋼・I形鋼の違いは、フランジ幅とウェブ高の比だけではありません。レールとして用いられることが多いI形鋼は、フランジの内側にテーパー(勾配)を設けてH形鋼と区別されています。
当たり前のように使用している形鋼ですが、目的に応じた最適な形状を選択することは、技術の基本だと考えています。